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PHRってご存知ですか?

[2021.11.25]

個人健康記録(Personal Health Record)の略で、これまで病院や薬局などの医療機関ごとに分散していた個人の医療データを、個人自らが集約して管理するという構想です。まだ構想の段階で具体的な型などが定まっているわけではありませんが、医療の効率化を図るためには重要な構想と思います。

専門外来をやってきて、または救急当直をやってきて、患者さんの情報がわからなくてフラストレーションを感じることが多くありました。受診中の医療機関に情報提供を求めても、ただ漫然と従来の薬を出し続けている、ということしかわからない。病院に救急搬送されたとき、その患者がどのような病気をお持ちで、どんな治療を受けているのかが分からなくて、苦労することが多くあります。MRIを撮ることができない金属が身体の中に入っていないか、血液をサラサラにする薬を飲んでいないか。ご本人やご家族が把握されていて聞くのが一番なのですが、長年経つと記憶も曖昧になっていきます。

「お薬手帳」は、患者さんが自分自身の治療の情報を管理する、という構想の萌芽と言えるでしょう。救急外来ではお薬手帳が大変役に立つことがあります。しかし、処方状況のみでは不十分です。「マイナンバーカード」を保険証として利用して、手術歴や健診情報などを連携させていく、というのも、この構想を進める方向として歓迎すべきものと思います。ただし、患者本人が望まない形で利用されないかに注意が必要です。

ご自身のスマートフォンに、人間ドック・検診のデータ、病院での検査結果、お薬手帳などを写真に撮って取り込んでおく方法が、現状では簡便です。当クリニックでは、データとスマートフォンをお持ちくだされば、脳神経内科専門医・総合内科専門医として直近の必要そうなデータを選別し、ご自身のスマートフォンに取り込むお手伝いをします。その情報を誰に開示するかしないかはご本人やご家族の判断に委ねられます。

将来的には、ウェアラブル・デバイスでの健康記録などを取り込むことで、先々の病気のリスクがより正確に判定できる時代が来るかもしれません。そのような時代の変化にもいち早くキャッチアップしていきます。

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